機械材料002 ~非鉄~

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機械材料の中で金属は鉄と非鉄に分類することができると説明しましたね。おなじ金属ですが、鉄(Fe)を含まない非鉄なので、アルミや銅は非鉄と分類されます。非鉄の特徴としては、鉄よりも軽く、柔かい。さらに酸化(さび)することがほとんどないです。この非鉄は気にはしていないけど、日常のいろいろなところで使われているんですね。

1.アルミニウム

機械材料の非鉄として多く使用されているのはこのアルミニウムになります。アルミニウムの特徴として軽くて強いです。鉄の比重は7.8 アルミニウムの比重は2.7であり、アルミニウムは鉄と比べて約1/3も軽いんです。
そこそこの強度がありながら、軽いので窓枠のサッシや、飛行機のボティまではば広く多岐に渡って使用されているんです。しかし、アルミニウムは鉄とは違い弾性変形しないため、じん性がない、引張強度がとても低いんです。そのためマグネシウム、マンガン、同、けい素、亜鉛などを添加して合金にしたり、圧延、熱処理などを行うことで強度を上げることができるのも特徴のひとつです。それぞれ添加する成分ごとで材料名称がちがい、用途もさまざまです。

A2000(Al-Cu-Mg):ジュラルミンと呼ばれるアルミで、鉄鋼に匹敵する強度がある。
A3000(Al-Mn):アルミ缶などで使用され、耐食性を低下させず、強度を少し増したもの
A6000(Al-Mg-Si):アルミサッシとして使用されることがあり、耐食性が良い。
A7000(Al-Zn-Mg):アルミの中でも最も強度が高いため、航空機などで使用される。

2.銅

銅は金や銀に次いで電気伝導率が良いのが特徴で、94%の伝導率がある上、低コストで入手できます。さらに圧延、延伸性が高く加工がしやすいため、電気ケーブルによく使用されています。ただし空気に触れていると酸化が進行しやすく、変色しやすい特徴がありあす。また銅は融合性が高く、金、銀、亜鉛、鉛、ニッケルと溶け合いやすく合金にしやすいです。よくある銅合金は以下の通りです。

しんちゅう:代表的な銅合金、銅と亜鉛を混合したもので機械材料として良く使用される。
洋白:銀白色をして耐食性に優れ、食器や装飾品に使用される。亜鉛、ニッケル、少量のマンガンを混ぜて作られる
青銅:ブロンズとも呼ばれ、銅とSn(錫)との合金。加工がしやすく、低コストである。
白銅:銀に似た輝きがある。ニッケルの割合が10~30%と多い銅合金

3.チタン

チタンは埋蔵量が多いが、精製が難しいために高価な材料です。鉄よりも融点が高いため、真空装置などで加熱精製する必要があり、大型な装置が必要です。加えて、加工するにもチタンは粘り気があり、熱伝導率も低いために工具が破損しやすい難削材であることもチタンが高価となる要因なんですね。チタンは軽いが強度が高いので、航空機やゴルフクラブ、発電所のパイプなどにも使われます。またアレルギー反応などが発生しにくいため、人工骨、インプラントなどの医療器具、めがね、腕時計などの高級品にも使用されています。今後、精製技術や、加工技術が進化することで、チタンの価格が安価になり、汎用的な機械材料として使用されることが期待されます。

4.粉末金属

非鉄でも鉄でもどちらでも粉末状態の金属であれば製造可能な技術で、主に焼結という方法で製造されます。焼結は樹脂成型金型のような型にペースト状の粉末金属を注入し、成型した後に焼き固める方法で製造されます。
複雑なエンジンや、入り組んだ構造の部品を一体で実現させる場合や、切削加工などで作るには困難な形状である場合に構造用として利用されます。また粉末材料によっては炭素鋼材と同じようにに熱処理をすることもできるため、高硬度な強度の高い部品として使用できます。ただし、鋳造よりも精度が圧倒的に高精度でありますが、切削加工に比べるとその精度は落ちます。理由として、型から離型された状態は粉末金属とペーストが合わさった状態で、それを焼き固めることで、ペーストが流れ落ちて焼結材料になるため、焼き固める過程で2~3割程度は収縮からです。この収縮量はある程度は計算できますが、部品形状によっては変形したりするため平行度、平面度、直角度などにバラツキが生じやすいため、高精度な形状は困難です。さらに粉末金属は焼結によって、完全に溶融するわけではないため100%の金属密度ではなく数%は巣があるため、一般材料に比べるとやや強度低下も懸念材料になります。
なお、焼結はすべり軸受として使用される焼結含油軸受用もあり、これは金属粉末の密度を粗にすることで粉末間に潤滑油を含浸させることで、外部からの給脂を必要としない無給油軸受として利用されています。これは含油することが目的であり、軸を保護する役割も兼ねているため、銅などの柔かい材質を使用することが一般的です。

粉末金属 成形
成型
粉末金属 焼結
焼結(焼き固める)

5.まとめ

・アルミニウムは鉄よりも1/3の重さであり、添加する合金によっては鋼と匹敵するくらいの強度である。
・銅は電気通電性が高く、安価であり、柔かく加工しやすいことから機械部品や電気ケーブルに使用される。
・チタンは材料精製や加工がむずかしく高価な材料であるが、鉄と比べて軽く、高強度であるため、航空機、発電所、インプラント(歯)にも使用される。
・粉末金属は焼結と呼ばれる製法で作られ、複雑な形状でも成型することができるが、鋳造よりも精度は高いが切削加工に比べると劣る。

以上です。

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